Web上の個人向けサービスをめぐるよしなしごと

http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20050523/1116840049経由
http://blog.livedoor.jp/ooki1/archives/4844443.html
 ブログ全部吹っ飛ばされる訳ではありませんが、代わりに月数十万の収入が吹っ飛ぶお話です。
 共通の問題点は、id:kowagari さんの指摘している

で、広告代理店側には「それが管理人本人による不正かどうか」をしっかり把握できるシステムづくりを放棄してるふしがあって、うがった見方をすれば、不正クリック自体おまいら代理店がやってんちゃうんかい、的な。そこまでいかないまでも、ほんのちょっとでも不正っぽいクリックがあったらなんでもかんでも不正扱いにして広告料渋ってんちゃうん、的な。広告代理店側、サイト管理人側双方が疑心暗鬼になっていたのでした。

という点に尽きるのではないかと。

 ユーザの側からすれば「システムに穴があるのに、そのリスクをユーザに押し付けるとはどういう了見じゃ」という話になるのは当然です。ただ、サービスを提供する側からそのような「逃げ」の手段を奪ってしまうと、新種のサービスを出しにくくなってしまう、という問題もあります。
 「逃げ」を前提とするベータ版と、月数十万の収入を保護すべき正規サービスの区別を、法的にも評価してあげないといけない時代がもうすぐ来るのかもしれません。って、どうやって区別すれば良いやら。サッカー選手のB契約・C契約みたいな方法で区別したりするのかなぁ。〇年以内にA契約にするか、さもなくば契約終了=放出しろ、とか。
 それとも、素人を金で釣るスキームに無理があるのでしょうか?

(5/24追記)おれはおまえのパパじゃないいつの間にかサイト名が戻ってました。

クライアントから見た弁護士像

ライブドアで4億円、M&A弁護士「時給10万円」
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20050521/p17経由)
あと、落合先生のコメント2005-05-21

なんというか、失礼を承知で申し上げますと、「ネタにマジレス」な感覚が抑えられません。他にもっと良い表現はあると思いますが。

 10万円/60分の弁護士の実在の可能性は、否定しません。というか、いるだろうという実感もあります。ただ、自分が弁護士だったら、そのような条件の顧問契約は結ばないと思います。
 私が想像するに、「時給10万円の弁護士」はおそらく以下の条件を満たしていると思われます。

  • 急な相談にも、喜んで応じること。ニュースで話題になるような時期には、手下と3交代(2交代?)で24時間体制を組むこと。
  • 相談を受けたら、「基本線を即答」「12時間以内に裏を取った正式回答」をすること。
  • 正式回答は、明確かつ正確であること。裁判例が分裂しているなど明確な回答ができない場合でも、判例の動向・状況を的確に説明すること。

 つまり、弁護士としてのスキルが最高レベルである上に、体力も最高レベルが求められていると予想します。そんな仕事を受けられる法律事務所なんて、日本にいくつあるでしょう。
 もちろん、大抵の会社はそんな予算ありませんから、速さと正確さがトレードオフになる中で弁護士を探すことになります。正確さについては「クライアントの法務が弁Google*1化しただけで不備が発覚する」可能性がある程度まで落とさないと、速さとリーズナブルな対価は両立しません。*2
 という事で、結局は、高い対価を受けるには、それだけの能力と労力が必要だ、というのが結論です。常人なら、途中で投げ出すか心身に障害を来たすか、いずれにせよ、無理です。

 まして、ライブドアが使う法律事務所は、相手方当事者の顧問以外で探すしかありません*3から、さらに割高になっても仕方ないと言えるでしょう。三井法律事務所・猪木先生を代理人として選任できただけでも「さすが堀江、うまくやったな」と思います。

 弁護士がボロ儲けしているように感じるのは、記事の書き方のせいだと思います。なんせ、ライブドア・フジテレビ対決が話題になって以降ひたすら堀江バッシングを続けているzakzakの記事ですから。

*1:2chでの法律系の板で、Googleでの調査結果だけ見て、弁護士でもないのに、さも法律の専門家であるかのような書き込みをする人々をこのように言う、という話をどこかで見ました。

*2:彼等の名誉のため、蛇足を承知で補足しますが、あくまでも速さを優先したが故の不正確さであり、時間があればもちろん彼等は正確な回答ができます。しかも、間違いが発覚したとしても「良くあんな短時間でここまで調べたなあ」と思わせるだけの仕事はしています。

*3:原則として、同じ事務所から両方の当事者の顧問弁護士を出す事はできません。普通は早いもの勝ちなので、昔から顧問契約を結んでいる会社の方が強いと言えるでしょう。

新事実(キバヤシ風に)

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/00003121sg300505141400.shtml
「つまり、カーブ前での減速が間に合わなかったのは、プレッシャーや疲労を原因とする操作ミスではなく、車両・編成自体に原因があるかも知れないという事だ」
「で、でも、始発駅の入線でもオーバーランしてたし、ブレーキが弱いなりの運転ができたはずじゃあ……」
「うむ、確かにそうだ。我々はプロにそれを期待するし、現に彼もプロだ。しかし問題は、いつも同じように弱いブレーキではなく、些細な条件の違いで効果に大きい差の付くブレーキだったという事だ。彼も、全ての駅でオーバーランしていた訳ではないだろう」
「た、確かに……」
「つまり彼は、ブレーキを掛けるべき時にブレーキが作動せず、ブレーキを掛けたくない時に非常ブレーキが掛かる、そんな欠陥車両を運転させられていたという事だ!!」
「な、なんだってーー!!!」

いや、この神戸新聞のニュースはびっくりですよ。もちろん、上の科白は言い過ぎで、あくまでも「(重大な)運転ミスでない可能性もある」に過ぎませんが。
ただ、あれだけオーバーランを繰り返しておきながら、わずか1分半しか遅延していなかったというのは、もしかすると凄い運転技術だったのかも、との妄想もしたくなります。
10回中3回起る不具合は、10回中10回起る不具合よりも始末に終えません。IMEの学習機能ですら、確率的なので思考の流れを遮るとして問題視する人もいます*1。まして、人の命を預る公共交通機関で、機械が安全でない方に不安定な動作をするというのは、問題でしょう。
それにしても、回生ブレーキから空気ブレーキへの切り換え時に、1秒以上ノーブレーキの時間があるなんて、信じられません。取りあえず電気抵抗ブレーキにしてみるとか、一時的に両方同時に作動するとか、どうせ不安定なら安全な方に異常動作するような設計ができなかったのか、疑問に思います。1秒に生活を掛けている人々から、ブレーキのタイムラグで1秒を奪うなんてひど過ぎではないかと思いました。正しいブレーキ時期は一瞬しかないのですから。

*1:http://homepage3.nifty.com/togasi/kaze_no_sato.htmlの「仮名漢字変換批判」に、学習機能のデメリットの説明があります。

ライブドアを巡るよしなしごと

やじうまWatch経由
有志によるlivedoorBlog改善会議:2ちゃんねるにiframeが埋め込まれていて「ライブドア広報・乙部綾子のお仕事日記」がブーストされている!
2chも忘れた頃に変な事をします。
私の読みでは

ただし、もしかしたら、ひろゆき氏がライブドアに改善を促すために仕掛けたことなのかもしれない。もしそうなら、たまたまタイミングが一致してしまったということになるが・・・。

ですね。元祖しゃちょう日記:そんなわけで、フロッグサイドバー - livedoor Blog(ブログ)との関係を示唆するエントリーも余所で見ましたし。
ただやり方が、いかにも「ひろゆき流」な感じがして、笑ってしまいそうです。

チラシの裏」的ではありますが、私なりの分析を書かせて下さい。

  • そもそも、ランキング不正のペナルティが不自然に厳しい。

 ランキング不正であれば、ランキングから除外すれば良いだけの話ではないでしょうか?
 もちろん、そうできない理由はあると思いますが、違反者のブログを削除してしまうのは「常識」から大きく逸脱しています。
 ランキング除外・閲覧停止という段階を経て、正当な理由もなく改善もされない事を確認してから、初めてデータ削除するのが「常識」だと思います。
 巨大とはいえ、一民間人の運営する掲示板である2chが、住民の意見を反映したルールに従って運営されているのと比べると、乱暴過ぎます。2chの中の人*1が悪ふざけの一つもしたくなるのは、無理からぬ所と感じます。

  • ペナルティが、本人の全く関知しない所で発動する。

 法と名の付く仕事をする人間として黙っていられなかった理由はここにあるのですが。
 不正なリンクは、本人と利害の共通する人が張るとは限りません。上記のようにペナルティが極端に厳しいとなれば、敵対的な人が設定する事も十分考えられます。
 そうすると、やられた方からすれば、「知らない内に」「身に覚えのない理由で」「自分のブログが全部消滅する」ことになります。
 運営上やむを得ない面もあるのでしょう(他のプロバイダにあるデータを削除することはできません)し、規約でも手当してると思いますが、「不当」との印象を残すことになります。

  • そもそも、ランキング不正対策のコストをユーザに負担させるのは、妥当なのか?

 不正な方法を使うブログを除外するよりも、評価方法を工夫して不正を難しくするのが、エレガントだと思います。知らない人からの攻撃で、防御も出来ずに消滅するブログって、何なのでしょう?
 どこで見たか忘れてしまいましたが、堀江氏がLF・CX騒動の際「ランキングによってプロの編集が不要になる」みたいな事を言っていた事を引き合いに出し、ライブドアブログのランキングをまともにしろ、といった趣旨の書き込みがありました。私も同感で、不正カウント対策の素晴らしい方法論を、是非ライブドアの中のみなさんに開発していただきたいと思います。

  • ひろゆき流」と感じた理由
    • 莫大なPVを(無駄に)活用している。同じ事を考えても、一般人には真似できない。
    • 誰も得しない。少なくとも、2chやひろゆき氏本人の利益に直結することだけはない。
    • 被害も「間抜けな状態を晒される」だけ。
    • やっていることは明らかに「反則」だが(少なくとも2ch的価値基準から評価すると)攻撃相手の方がよほど大きい問題を抱えている。

 これらの特徴を考察していると、なぜか、2ch上の差別発言を糾弾する人々の攻撃をかわすひろゆき氏の論法が頭に浮かんで来てしまいます。
 うまく説明できませんが、私は「いかにもひろゆき氏のやりそうな事だ」と感じました。

  • 理想はどこに?

 ランキングの方法論などをつらつら考えているうちに、プロの手を介さない編集(というか記事のスクリーニング)という目標に近付こうとしている会社があることに気が付きました。


 落ちは読めましたか?

*1:ここでは「住民」ではなく「運営サイド」という意味

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雑感

  • 新聞社の報道がどんどん本筋から離れているような気がします。

闇雲に酉の連中を叩いても、彼等のストレスを増やして新たな事故の原因にしかなりません。
あと、ただのオーバーランで一々ニュースにするのはやめて下さい。それこそ遅延の原因そのものです。

  • 「過密ダイヤ」に代わる表現がほしいと思います。

各所で指摘されてますが、福知山線のダイヤは過密ではありません。それほどの本数は走ってません。問題は、過密でもないのに「回復余地が極度に少なく」かつ「遅延の影響が大きい」という点にあります。この現象は確かに過密ダイヤに多く見られるとは思いますが、過密とは別の問題です。「回復余地のないダイヤ」に名前が欲しいところです。

  • 接続時間が3分あるなら、1分半くらい遅れてもどうってことないでしょう。

いや、この疑問にはほとんど「日勤教育」という答えが出てますけど。



もう少し考えをまとめてから書きたいのですが、書かずじまいになりそうで。取りあえず。