クライアントから見た弁護士像
ライブドアで4億円、M&A弁護士「時給10万円」
(http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20050521/p17経由)
あと、落合先生のコメント2005-05-21
なんというか、失礼を承知で申し上げますと、「ネタにマジレス」な感覚が抑えられません。他にもっと良い表現はあると思いますが。
10万円/60分の弁護士の実在の可能性は、否定しません。というか、いるだろうという実感もあります。ただ、自分が弁護士だったら、そのような条件の顧問契約は結ばないと思います。
私が想像するに、「時給10万円の弁護士」はおそらく以下の条件を満たしていると思われます。
- 急な相談にも、喜んで応じること。ニュースで話題になるような時期には、手下と3交代(2交代?)で24時間体制を組むこと。
- 相談を受けたら、「基本線を即答」「12時間以内に裏を取った正式回答」をすること。
- 正式回答は、明確かつ正確であること。裁判例が分裂しているなど明確な回答ができない場合でも、判例の動向・状況を的確に説明すること。
つまり、弁護士としてのスキルが最高レベルである上に、体力も最高レベルが求められていると予想します。そんな仕事を受けられる法律事務所なんて、日本にいくつあるでしょう。
もちろん、大抵の会社はそんな予算ありませんから、速さと正確さがトレードオフになる中で弁護士を探すことになります。正確さについては「クライアントの法務が弁Google士*1化しただけで不備が発覚する」可能性がある程度まで落とさないと、速さとリーズナブルな対価は両立しません。*2
という事で、結局は、高い対価を受けるには、それだけの能力と労力が必要だ、というのが結論です。常人なら、途中で投げ出すか心身に障害を来たすか、いずれにせよ、無理です。
まして、ライブドアが使う法律事務所は、相手方当事者の顧問以外で探すしかありません*3から、さらに割高になっても仕方ないと言えるでしょう。三井法律事務所・猪木先生を代理人として選任できただけでも「さすが堀江、うまくやったな」と思います。
弁護士がボロ儲けしているように感じるのは、記事の書き方のせいだと思います。なんせ、ライブドア・フジテレビ対決が話題になって以降ひたすら堀江バッシングを続けているzakzakの記事ですから。