問題点その1

そろそろ「なぜニッポン放送新株予約権が許せないか」の結論を書く準備が整ったと思います。

問題点その1 新株予約権発行の理由
 「新株予約権発行の目的は資金調達以外にない」と前に述べました。ところが、ニッポン放送新株予約権発行のニュースリリースを見ると、資金の使途は後半にほんの少し書かれているだけで、主要な目的は「フジテレビとの関係維持」と「マスコミの公共性」となっています。
 しかもその資金使途も、リリースでは、新株予約権発行の分は「(仮)臨海副都心スタジオプロジェクトへの整備資金」とされているものの、その後の払込額の分は「その時になって考える」みたいな書き方がされています。
 払込額の使い途もないまま新株予約権を出すのが、そもそも間違っています。しかも、その資金使途が、どう見ても不急の使途です。これだったら、公募か株主割当で新株を出すべきところです。
 だって、ニッポン放送は、つい最近、臨海副都心を引き払って有楽町に戻って来たばっかりじゃないですか。「(仮)臨海副都心スタジオプロジェクト」なんてものがあったら、有楽町の敷地の方を処分してるはずですよね。

 いや、それでも、「(仮)臨海副都心スタジオプロジェクト」のための新株発行だと言い張るなら、それでも構いません。本当にそれだけが(少なくとも公式な)理由であれば。上記の理由で新株予約権が差止められる可能性は残りますけど、負けても一応の筋は通した形になりますから。
 資金以外の理由を、資金使途より先にリリースに書いてある、という点はどうしても許せません。

 グループから外れたらフジテレビからの支援が受けられなくなる、というのはあるかもしれませんが、それは「フジテレビによる脅迫」であって、悪いのはフジテレビ。株主のせいではありません。
 マスコミの公共性に関しても「だったら株式公開するな」という話であって、買い占めの隙を作る方法でグループ再編を進めた取締役が悪い。グループを守るための新株発行が正当化される余地はありません。

 株式市場の健全性が求められているご時世に、こんな説明で新株発行が正当化されると思っている会社が、株式を公開している事が許せません。


 ということで、今日はここまで。他にも問題点はあります。